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カテゴリ:淡路島ライフ( 1 )

<<閲覧注意!過激画像・表現が含まれます。 命を戴く、というコト>>

野生のイノシシを解体した。
生き物を殺し、捌き、食べる、という体験が未だ消化出来ていない。
ブログという形でコトの進行や自身内面の変化を整理し、アウトプットすることで理解しなければならない気がする。 あの時感じたコトや葛藤、プロセスを残り少ない人生に生かしていく為にも。

連絡を受けたのは木曜午後。
以前近所のお百姓さんとの会話で”畑で獲れたイノシシは全て山に埋めて処分している”ということを聞き、以前食べたイノシシ肉が慢性的肉体疲労に原爆的にキいたンで余り深く考えず、”ゼヒ一緒に解体してみましょう!”と軽く言ってしまった。
その日の夕方、店を閉め捕獲現場にお百姓さんと向う。
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店から10分ほど、2kmも離れていない山の畑の檻に近づくにつれ緊張が高まり汗が噴き出す。 強烈な糞尿の臭いが立ち込めるその山肌沿に設置された檻が見えてくると心拍は多分120を超えていただろう。 
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大きさは約50kg、我々の存在に気づいた彼女(その時は性別は不明だった)は強烈な激突を何度も檻に。 既に顔面は血だらけ。
臭い・音・姿・気迫、その全てが圧倒的で早い話”ビビった”。 めちゃくちゃに。 
以来、色々な思いが去来し遅くまで寝つけなかった。
各方面の友人に声掛けしてアドバイスをもらったり、ネットでイノシシの解体などを調べるもののイノシシの解体方法は千差万別、多種流派があり結局、お百姓さんのリーダーシップに頼るという情けない状況になった。 
また解体はお百姓さんの都合で日曜の早朝に決定するものの果たして、週末営業という稼ぎ時にそんなことをやっていて良いのだろうか、という思いもあった。

チルコロの向かいに森本商店という自動車修理工場がある。 
社長はボクより10歳近く若く、オートバイやNA8Cのレースにも入れ込み、非常に有能で事業も急成長している。 今回のお百姓さんの遠縁にもあたる。 
彼がちょっと前まで猟銃免許を持ったバリバリの猟師だったので来店の折に週末営業を休んで解体作業を行うのは酔狂ではないか、と相談した。   
”カネに変えられない体験である。 必ず実行すべし”と即答。
キリが晴れた。 恐怖はあるが迷いは、消えた。

当日いつも通りに4時過ぎ起床し、約束の6時前にお百姓さんの邸宅伺うと既にナイフやボーガン、電気殺傷機や桶が用意されていた。 長靴とカッパに着替えて軽トラで現地に向かう。 既に捕獲されて3日過ぎて衰弱してきたのか幾分大人しくなってはいた。 彼女もまた、恐怖と諦観の狭間で過ごしたのだろう、胸が重くなるのを自覚しつつ俯き加減で準備を始める。 

夜露が散見されるので電気殺傷機を使わず一本700円と高価なボーガンを使って”殺す”ことに。弱っているとはいえ強烈なアタックを檻にかます猪の眉間に正確に槍を打ち込む事は難しい。 
1本目はまぶた上を貫き、2本目は頭頂部を貫通するも致命に至らず。 
眼から血を流し最後の抵抗を続ける彼女につい、想いを重ねてしまう。 
お経をモグモグと唱えながら出来る限り心を無にして”作業”に取り組む。 
3本目がやはり頭頂部を貫いただけなのを確認すると電気に切り替えた。 
アースを檻に取り付け殺傷棒を檻に付けると強烈なスパーク。 
彼女の腹に差し込むとあっさりと息を引き取った。

檻から二人掛かりで引っ張り出す。ボクは両足を持って軽トラの荷台まで運び込む。
電気ショックで脱糞し、身体中にコガネムシ大のダニが取り付いている。
感覚を無にして黙々と二人で荷台に積み込み邸宅の駐車場へ。
駐車場脇の排水溝を開けホースを引っ張り排水溝に頭を突っ込み首の脇にナイフを差し込む。 おびただしい血が噴き出す。
50kgだと血は凡そ5リットルほどらしい。ホースの水で流し出しながら両脚を持ち上げてしっかりと血を押し出す。 
逆さの状態で自転車漕ぎをさせたりして残った血を絞りだす。 
切り口から噴き出す血がなくなるにつけ所謂、”肉”に変わっていく。
最終的には頭部をカットして暫く流水で流しておく。 目立つダニや汚れはこの時点で取り除いたり洗い出す。
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ざっと洗い流すと軽トラの荷台に運び込み、脚を手前にして解体作業を開始する。
先ずは首元から腹周りまで直線的にカット。 
内臓、特に膀胱と大腸には傷つけないよう慎重に切り込んでいく。 内臓を包む薄い膜を慎重にカットするとお馴染みのレバーなど内臓にアプローチ。この時点で意識を無理やり”殺生”から筋肉の構造や筋膜の状態などに移し解剖学的に進める。 初心者なので内臓は食用に使わず釣り(設置網)のエサに使う。 内臓全てを食道からカットして一気に桶に移す。 
胸骨を解体(スペアリブ)したりするのに手ノコを使いながらヒレやリブを取り出す。
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腿・前脚は手首でカットしそこから胸へカット、カット面からナイフで剥がしていく。
当初心配されていた脂分による切れの低下も発生せず無心で作業を進める。
前脚は肩甲骨からスルっと本体から外れる。
あらかたの部位を取り出し、仕分けし、お百姓さんと分け合う。
荒い皮剥ぎだったが6時スタートの9時前には解体は終了した。 
9時から気を入れ替えて営業開始するが思いの外忙しくて今回の解体に思いに耽る余裕がなかったのは幸いかもしれない。
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考えていた以上に屠殺・解体は呆気なかったがそれまでの数日はずっと、本当にずっと命について考える重い期間だった。 
足元に寝そべる平蔵と一体どこが違うのか、と。   
”老い”を目前に残り人生を命の観点から見つめ直すイニシエーションだったのか…。 

合掌。














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by circolo-awaji | 2019-06-11 12:01 | 淡路島ライフ


平蔵店長の営業日報


by やまだへいぞう

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